定義
総当たり攻撃がパスワードを推測するのに対し、リスト型攻撃は実在する組み合わせを使う。そのため 1 アカウントあたりの試行回数が少なく、ログイン失敗の回数で異常を見つける仕組みをすり抜けやすい。材料になるのは、過去の 情報漏洩 や フィッシング で集められた認証情報のリストで、ダークウェブで売買されている。
盗まれた認証情報によるログインは、システムから見れば正規の利用者と区別がつかない。リスト型攻撃と特定された事案ではないが、米 Change Healthcare では、多要素認証のない Citrix のリモートアクセス用アカウント 1 つへの不正ログインが入口となり、米国の医療保険請求処理の約 3 分の 1 が数週間止まった(Critical Brief 083)。「パスワードを知っている」ことと「正規の権限者である」ことを切り離す層がなかった。
対策の基本は、多要素認証、パスワードの使い回しをやめること、流出済みのパスワードとの照合、短時間に多数のアカウントへログインを試す通信の遮断である。
Lemma での実装
リスト型攻撃が効くのは、「知っていれば通る」パスワードが、そのまま権限として扱われているからである。Lemma は、AI エージェントの支払いや操作について、許可をパスワードではなく証明で判断する層を足す。Trust402 では、支払いの前に「このロールと上限の範囲で許された主体か」を ゼロ知識証明 で示させ、証明が通らない要求は実行前に止まる。
AI エージェントが Lemma の API を呼ぶ場面では、API キーは スコープ にひもづき、スキーマやドキュメントの作成・更新・削除はそのスコープの中に閉じる。
Lemma を経由した操作の履歴は 監査証跡 として固定される。不審な鍵の使用が見つかったとき、その鍵で何が読まれ、何が変更されたかを、改ざん不能な記録から後で辿れる。